風、空、きみ

talk to myself

Archive for 5月 2015

きみのもしもし #391

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 テレビを観ながら、きみが自慢げにぼくに話しかけてくる。
「最近、珈琲ってさ、流行りになってるよね」
 昨夜のとある番組でも、出演していた女優さんが珈琲にはまっていると言っていた。
 今もこだわりの珈琲を淹れるカフェの特集が流れている。
 珈琲が旬っぽいのはわかるけど、なんできみがそんなに自慢げなんだろう。
「半年前のお話です」
 ・・・。
「半年前、わたしは言いました。珈琲に関する習い事に行こうかなと」
 ・・・。
「きっとわたしは予見していたのよねぇ」
 ・・・。
「もしもし、すごくない?」
 そうだね、すごいね。大したものだね。
 でも、結局きみはその習い事には行かなかった。
 なんてことは口にしないことにしよう。
 代わりに、珈琲淹れようか。と、ぼく。
 うぅん、わたしが淹れるわ。と、きみ。
 そうだね、今日の珈琲はきみにお願いすることにしよう。
 うん、そうしよう。

Written by ken1

2015/05/24 at 23:54

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #390

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 きみが柔らかい手を重ねてくる。
 重ねたまま、微動だにせず、気づくと寝息を立てている。
 疲れが溜まっているのか、安心しているのか、
 どちらにしろ、背中を丸めすーすーと寝息を立てている。
ーあのね。
 おや、起こしちゃったかな。
ーもしも。
 え?
ーもしもし。
 どうしたのかな。
 確認しようと、きみの顔にぼくの顔を近づける。
 でも、きみはまたすーすーと寝息を立てている。
 なんだ、寝言か。
 ぼくはきみの顔を鼻の先にしたまま、
 きみの横できみを見つめる。
 きみは柔らかい手をぼくに預けたまま、
 微動だにせず、寝息を立てている。

Written by ken1

2015/05/17 at 23:18

カテゴリー: kiss

銀ぶら

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Written by ken1

2015/05/11 at 00:49

カテゴリー: photo

きみのもしもし #389

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 銀座の街を歩く、歩く、歩く。
 ライカはいつものように肩から斜め掛けにはせず、
 今日はディパックに入れている。
 何気にピンと来るものを感じた時にすかさず取り出す。
 絞り、シャッタースピード、ピントを即座に合わせる。
 ここに着いたときに今日の光を理解して、それぞれおおよその値にしている。
 あとはその場、そのときで微調整。で、シャッターを切る。
 そしてまた、銀座の街を歩く、歩く、歩く。
ーもしもーし、こちらの用事は済みましたよ。そちらはどうですか?
 四丁目で分かれたきみは用事を済ませた模様。
 ちょうどぼくもにんまりとする風景を数枚撮れたところ。
ーじゃ、地下食で待ち合わせしよ。
 ここに来るのを付き合ってくれたお礼に、美味しいものを買ってくれるらしい。
 でも、ぼくはぼくで楽しく写真を撮っていただけなんだけど。
 けどまっいっか。きみんちでその美味しいものをいただくことにいたしましょう。
 そしてぼくははたと気づいた。
 今日はきみの写真を一枚も撮ってない。
 陽も傾き始めた。うーむ、さてとどうしょう。

Written by ken1

2015/05/11 at 00:29

カテゴリー: kiss

懲りずにまたbicycles

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Written by ken1

2015/05/04 at 20:10

カテゴリー: photo

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