風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #389

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 銀座の街を歩く、歩く、歩く。
 ライカはいつものように肩から斜め掛けにはせず、
 今日はディパックに入れている。
 何気にピンと来るものを感じた時にすかさず取り出す。
 絞り、シャッタースピード、ピントを即座に合わせる。
 ここに着いたときに今日の光を理解して、それぞれおおよその値にしている。
 あとはその場、そのときで微調整。で、シャッターを切る。
 そしてまた、銀座の街を歩く、歩く、歩く。
ーもしもーし、こちらの用事は済みましたよ。そちらはどうですか?
 四丁目で分かれたきみは用事を済ませた模様。
 ちょうどぼくもにんまりとする風景を数枚撮れたところ。
ーじゃ、地下食で待ち合わせしよ。
 ここに来るのを付き合ってくれたお礼に、美味しいものを買ってくれるらしい。
 でも、ぼくはぼくで楽しく写真を撮っていただけなんだけど。
 けどまっいっか。きみんちでその美味しいものをいただくことにいたしましょう。
 そしてぼくははたと気づいた。
 今日はきみの写真を一枚も撮ってない。
 陽も傾き始めた。うーむ、さてとどうしょう。

Written by ken1

2015/05/11 @ 00:29

カテゴリー: kiss

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