きみのもしもし #389
銀座の街を歩く、歩く、歩く。
ライカはいつものように肩から斜め掛けにはせず、
今日はディパックに入れている。
何気にピンと来るものを感じた時にすかさず取り出す。
絞り、シャッタースピード、ピントを即座に合わせる。
ここに着いたときに今日の光を理解して、それぞれおおよその値にしている。
あとはその場、そのときで微調整。で、シャッターを切る。
そしてまた、銀座の街を歩く、歩く、歩く。
ーもしもーし、こちらの用事は済みましたよ。そちらはどうですか?
四丁目で分かれたきみは用事を済ませた模様。
ちょうどぼくもにんまりとする風景を数枚撮れたところ。
ーじゃ、地下食で待ち合わせしよ。
ここに来るのを付き合ってくれたお礼に、美味しいものを買ってくれるらしい。
でも、ぼくはぼくで楽しく写真を撮っていただけなんだけど。
けどまっいっか。きみんちでその美味しいものをいただくことにいたしましょう。
そしてぼくははたと気づいた。
今日はきみの写真を一枚も撮ってない。
陽も傾き始めた。うーむ、さてとどうしょう。
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