きみのもしもし #390
きみが柔らかい手を重ねてくる。
重ねたまま、微動だにせず、気づくと寝息を立てている。
疲れが溜まっているのか、安心しているのか、
どちらにしろ、背中を丸めすーすーと寝息を立てている。
ーあのね。
おや、起こしちゃったかな。
ーもしも。
え?
ーもしもし。
どうしたのかな。
確認しようと、きみの顔にぼくの顔を近づける。
でも、きみはまたすーすーと寝息を立てている。
なんだ、寝言か。
ぼくはきみの顔を鼻の先にしたまま、
きみの横できみを見つめる。
きみは柔らかい手をぼくに預けたまま、
微動だにせず、寝息を立てている。
コメントを残す