きみのもしもし #391
テレビを観ながら、きみが自慢げにぼくに話しかけてくる。
「最近、珈琲ってさ、流行りになってるよね」
昨夜のとある番組でも、出演していた女優さんが珈琲にはまっていると言っていた。
今もこだわりの珈琲を淹れるカフェの特集が流れている。
珈琲が旬っぽいのはわかるけど、なんできみがそんなに自慢げなんだろう。
「半年前のお話です」
・・・。
「半年前、わたしは言いました。珈琲に関する習い事に行こうかなと」
・・・。
「きっとわたしは予見していたのよねぇ」
・・・。
「もしもし、すごくない?」
そうだね、すごいね。大したものだね。
でも、結局きみはその習い事には行かなかった。
なんてことは口にしないことにしよう。
代わりに、珈琲淹れようか。と、ぼく。
うぅん、わたしが淹れるわ。と、きみ。
そうだね、今日の珈琲はきみにお願いすることにしよう。
うん、そうしよう。
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