風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #391

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 テレビを観ながら、きみが自慢げにぼくに話しかけてくる。
「最近、珈琲ってさ、流行りになってるよね」
 昨夜のとある番組でも、出演していた女優さんが珈琲にはまっていると言っていた。
 今もこだわりの珈琲を淹れるカフェの特集が流れている。
 珈琲が旬っぽいのはわかるけど、なんできみがそんなに自慢げなんだろう。
「半年前のお話です」
 ・・・。
「半年前、わたしは言いました。珈琲に関する習い事に行こうかなと」
 ・・・。
「きっとわたしは予見していたのよねぇ」
 ・・・。
「もしもし、すごくない?」
 そうだね、すごいね。大したものだね。
 でも、結局きみはその習い事には行かなかった。
 なんてことは口にしないことにしよう。
 代わりに、珈琲淹れようか。と、ぼく。
 うぅん、わたしが淹れるわ。と、きみ。
 そうだね、今日の珈琲はきみにお願いすることにしよう。
 うん、そうしよう。

Written by ken1

2015/05/24 @ 23:54

カテゴリー: kiss

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