風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #395

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 まぁ入れ違いとまでは言わないが、今度はきみが旅に出た。
 昨夜のこと、
ー今夜のパーティー、行けなそうにないわ。
 おや?どうしたのかな。
ーパッキングが終わってないのよね。
 えっ?
ー言ってなかったと思うんだけど、フライトが明日の夜なの。
 毎回この調子だから、今更慣れっこだけどさ。
ー行き先?な・い・しょ。無事着いたらLINEするから。
ーLINEがなかったら、そうねぇ、心配してて。ね。
 そして、今。
 そんな近場のはずもなく、当然まだLINEは入ってこない。
 きみが降り立つその国との時差はどのくらいなんだろう。
 そこまでに乗り継ぎはあるのかな。あるとするとその時間分も加算しなきゃ。
 うーむ、さはてはいったいどこに飛んだのやら。
 どこであれ、きみからのLINEの冒頭はきっと「もしもし」なんだろうな。
 そんなことを思いつつ、先週きみが買ってきてくれた珈琲豆を挽くことにした。
 すこしは気が紛れるか。
 挽かれた豆の香ばしい香りがぼくを包む。

Written by ken1

2015/07/12 @ 17:13

カテゴリー: kiss

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