風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #397

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 ぼくを乗せた空港へのバスが、途中聞き覚えのあるバス停に停車する。
 そうか、ここはあの子の家の近所だな。
 学生のときつきあっていた女の子の家の近くのバス停。
 きっと今頃は品のよいお母さんになっているんだろうな。
 バスに揺られながら、ぼくは想い出に苦笑いを浮かべる。
ーもしもし、懐かしい人にでも会いましたか?
 空港からきみに送ったLINEにすぐさま返事がきた。
 するどい勘だ。
ーそうじゃないけど、懐かしい想い出を思い出せたよ。
ーよかったわね。
 あれ?レスポンスが早い。
ー珈琲入れててあげるから、早く早く。
 え?てことは?
ーわたしもさっき戻ってきたのよ。
 近所に遊びに行ってたようにさらりときみは言うけれど、そうじゃないでしょ。
 ここでもぼくは苦笑い。
 今日は苦笑いの連続だ。そんな日なのかなぁ。

Written by ken1

2015/07/25 @ 23:08

カテゴリー: kiss

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