きみのもしもし #400
ーもしもーしっ。浴衣好き?
きみから唐突なLINEが入ってきた。
好きか嫌いかと聞かれれば、そりぁ好きさ。
ーわたしの浴衣姿、見たい?
おっいいねぇ。いつ拝めるのかな。
ーこれからジムで汗流すでしょ。そのあと部屋に戻ってからだから。
いつの間にジムに通い出したんだ。
それよりも浴衣ひとりで着れたんだっけ。
ーよーやくね。
相変わらず知らない間にいろいろ始めてるものだ。
いつもきみに会うたびに新鮮な気がするのは、そんなところがあるからかな。
ー今夜のわたしに乞うご期待っ。カメラもお忘れなく。
どんな柄の浴衣なんだろう。
髪の毛は上げてくるのかなぁ。うなじが見れるといいな。
よこしまな気持ちに浸かりながら、ぼくはレンズの選択にとりかかる。
撮り損じは許されないだろうな。
あれ?ぼくは普段のシャツでいいのかなぁ。
と言っても浴衣持ってないもんなぁ。
でもどこに行くつもりなんだろう。
それとも今夜のコースはこれからぼくが考えるのかな。
うーむ、とりあえず考えておくか。
とかなんとか、少しそわそわしだしたぼくがいる。
毎回毎回きみと会うのは楽しいものだ。
さてとカメラとレンズの組み合わせは決まった。
そうだ、あの川沿いの土手を散歩して、その先の河川敷にあるレストランに行ってみよう。
ここまで決めても落ち着かない。
早く浴衣姿のきみに会いたいなぁ。
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