きみのもしもし #404
ひさしぶりにカメラ片手に夜の街を歩いてみた。
ISOの設定をいつもより少しだけあげて、
手持ちの中で一番明るいレンズで、
いつもより少しだけ引いた感じで撮りたくて、
そんなレンズにしてみた。
でも結局、撮っているのは行きつけのBarへの途中にあった自転車と、
Barのカウンターからの視界が今夜の被写体になった。
「いつもと変わんないじゃん」と隣のきみ。
いつの間にやら横に腰掛けている。
「なんでだろうね」
「冒険心が足りないんじゃない」ときみはストレートに言ってくる。
そしてきみがトイレに立ったとき、
ぼくはカウンター隅でマスターと話している女性客をパシャリ。
これもひとつの冒険心?とふと思う。
「もしもし、何を撮っているのやら」
席に戻ってきたきみが、すべてお見通しよとばかりに笑っている。
「マスター、お代わりもらえる?」
ぼくは、きみとぼくとそしてカウンター隅の彼女のお代わりを頼んだ。
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