きみのもしもし #411
きみがくたっと寝ている。
ふだんだとこんなこともしないのに、
今夜に限ってぼくの膝枕でスヤスヤではなく、くたっと寝ている。
こんなことならカーペットの上に座っていればよかった。
フローリングの上のぼくのくるぶしはきみのあたまの重さでじわじわと痛くなる。
もうかれこれ30分か。
窓からの陽射しがぼくらの居るところを陽だまりに変え、
秋のリビングはそれはもうほんわかとしている。
それでもくるぶしは痛くなる。
少しだけ足をずらして、少しだけ痛みを回避したいな。
ぼくはそっと片足を動かした。
「もしもし、もう少しだけね」
きみは寝言のようにそう言って、またくたっと寝入った。
今週、きみは大変だったものね。
きみの寝息に耳を傾け、ぼくは射し込んでくる陽射しに目を細めた。
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