風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #411

leave a comment »

 きみがくたっと寝ている。
 ふだんだとこんなこともしないのに、
 今夜に限ってぼくの膝枕でスヤスヤではなく、くたっと寝ている。
 こんなことならカーペットの上に座っていればよかった。
 フローリングの上のぼくのくるぶしはきみのあたまの重さでじわじわと痛くなる。
 もうかれこれ30分か。
 窓からの陽射しがぼくらの居るところを陽だまりに変え、
 秋のリビングはそれはもうほんわかとしている。
 それでもくるぶしは痛くなる。
 少しだけ足をずらして、少しだけ痛みを回避したいな。
 ぼくはそっと片足を動かした。
「もしもし、もう少しだけね」
 きみは寝言のようにそう言って、またくたっと寝入った。
 今週、きみは大変だったものね。
 きみの寝息に耳を傾け、ぼくは射し込んでくる陽射しに目を細めた。

Written by ken1

2015/11/01 @ 18:52

カテゴリー: kiss

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。