きみのもしもし#413
きみが、遊ぼう遊ぼう遊ぼうって言ってくる。
ぼくはきみとの遊びを始める。
でも、きみは知っている。
この遊びが10分も続かないことを。
玄関にはカバンとジャケットとニット帽が置かれている。
きみはそれに気がついているんだね。
だからぼくが行かないように、遊ぼう遊ぼう遊ぼうって言ってくる。
でもね、そろそろ時間なんだ。
帰ってきたら、また遊ぼう。
「もしもし、そんなの嘘っ」
「帰ってきてもそんな約束なんてぜんぜん覚えてやしない」
「いっつもそう」
だから今、もう少しだけ遊ぼう遊ぼう遊ぼう。
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