風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #423

leave a comment »

 きみはカウンターから立ち上がり、一枚一枚ゆっくりと観て回る。
 写真だけじゃなく、その下に書かれているキャプションにも目を向けて。
 それぞれの人がそれぞれのストーリーを思い描けるように、
 楽しい思い出の記憶がよみがえるように、
 そんな思いを込めて写真一枚一枚にキャプションを考えてみた。
 きみのどんな思い出がよみがえるんだろう。
 あたたかい思い出がよみがえるといいな。
 ぼくはカウンターに座ったまま、
 少しドキドキしながらきみの横顔、きみの背中を見つめている。
 端まで観終えたきみはまた逆方向に観始めた。
 そして一往復するとぼくの横に立ち、目を細め、二枚の写真を指差した。
「もしもし、これとこれ、ください」
 ぼくの写真展初日、きみは最初のお客様。
 観に来てくれて、ありがとう。

Advertisements

Written by ken1

2016/01/24 at 18:19

Posted in kiss

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s

%d bloggers like this: