きみのもしもし #429
きみのこれからとぼくのこれからをお願いしようと、
ぼくは太い鈴緒に手を伸ばし、
神様にこれでもかと聞こえるくらいに大きく鈴を鳴らした。
邪気を払い、神様にぼくの参拝を知らせる。
合わせてぼくは自分の住所と名前も告げる。
間違いなくぼくの願いとして神様に届くように。
ぼくは神社にお参りするのが好きだ。
境内の樹木がなんだかぼくをそっと見守ってくれている気がする。
すると心が優しくなれる。
そして神様にどうせだから無茶なお願いばかりをする。
お願いが済むと巫女さんからおみくじを受け取り、少しだけ会話を楽しむ。
またおみくじ引いちゃった。
ーもしもしぃ、どうしていつも一人で行くわけっ。
どうしてだろうね。
多分お参りしている時の表情を見られるのが気恥ずかしいからかなぁ。
でも、いいじゃん、また大吉なんだからさ。
きみはしょうがないわねと、へんちくりんなスタンプを送ってきた。
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