風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #432

leave a comment »

 カフェのテーブルで、きみが本を読んでいる。
 ぼくは待ち合わせの時間に遅れたわけでもなく、
 きっときみはこの陽気を本と一緒に楽しむために早めに来たのだろう。
 そしてぼくはふと気づき席に着く。
「どうして横に座るの?」
「横というより隣の辺ね」
 何それって顔で、きみは本に戻る。
 うん、横顔もいい。
「いつの間にこんなにいい女になったの?」
 ストレートな言葉に、きみは少し呆れ顔。
「何も変わっていませんよ」
 いやいや、どうして。とても大人の香りがするよ。
「もしもし、春の陽気のせいじゃないの」
 またきみは本に戻る。
 きみの本を読むその佇まい。ぼくはとても嬉しくなってしまう。
 隣のぼくはちゃんとついていけてるかな。
 いや、今日は人の目なんて気にするのは無しにしよう。
 きみはきょとんと微笑み、本をテーブルに伏せた。

Advertisements

Written by ken1

2016/03/27 at 20:09

Posted in kiss

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s

%d bloggers like this: