きみのもしもし #434
久しぶりにお店に行ったら、きみがいた。
ーもしもしっ、遅いぃ。
遅いと言われても、約束してないでしょ。
ー約束なんて必要ないもん。
会いたいと思ったときに、待てるお店があるのはいいね。
ー会えなくても、それはそれでいいのよ。
来るかな、来ないかなとマスターと話ながら待つのもいいよね。
そんなお店は一軒でいいと思っていた。
二軒も三軒もあると、せっかく会いたいと思ってもすれ違ってしまいそう。
でも、その一軒すらなくなることだってある。
さてとそんなんなったらどうしましょうか。
きみもぼくも考え込んでしまう。
ーそのときはそのとき。風が吹くわよ。
そう言って、きみは何杯めかのおかわりを頼んだ。
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