きみのもしもし #437
この子は僕らの4倍の速さで生きているんだね。
「きっと感受性も4倍なんじゃないかな。うれしいとか、さみしいとか、ね」
そばにいて欲しいとか、遊んで欲しいとかも?
「どうでしょうね。でも、わたしもそうよ」
きみも4倍の感受性?
「もしもし?気づいてないのかなぁ。わたしは2倍くらい。」
きみはぼくのひざもとの仔猫を撫でた。
「あなたと一緒にいたいって、いつもあなたの2倍くらいは思ってる。」
きみの眼差しが「あなたはどうなの?」と聞いている。
ぼくもひざもとの仔猫を撫でて、でも気づかないふりをする。
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