風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #442

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「ほら、そこ」
 きみが視線で指し示す。
 何がそこにはあるんだろう。
 何がそこにはいるんだろう。
「よく見て」
 新緑の木立の中に同化するように何かいる。
 ほー、なるほど。
「静かにね。気づかれたら飛んでいっちゃうかも」
 きみの視線の先にあるものが動いた。
 ぼくらに気づいたのではなく、
 枝葉の中にちょっとした虫でも見つけたのだろう。
 ちょんちょんっと枝葉を移動した。
「もうこの時期になると鳴かないのね」
 これよりもこんなに近くにいるんだね。
「もしもし?知らなかったの」
 きみは少し驚いたようにぼくに振り向く。
「毎年春先にはここいらでも鳴いてるよ。ホーホケキョって」
 きみとのそんなやり取りに気づいたのか、
 一瞬ぼくらを見るような仕草をして、
 そのウグイスは飛び立った。

Written by ken1

2016/06/05 @ 13:51

カテゴリー: kiss

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