きみのもしもし #444
きみの驚いた顔が面白かった。
びっくりさせたのは申し訳ないけど、
つい、大きく笑ってしまった。
「失礼ねっ」
と言いつつ、きみも笑い出している。
やっぱり、きみの笑い顔はいいな。
出されたハイボールをきみと軽く重ね、
まじまじときみを見る。
「会うたびに何かサプライズを持ってくるのね」
きみもハイボールを口にする。
今夜のきみは飲みっぷりもいい。
やはり今夜はきみに会って正解だな。
ぼくもきみに習ってゴクゴクと喉を潤す。
「ねぇこの後、どこか行かない?」
いいねぇ。
「もしもし、でも変なこと考えちゃダメよ」
きみの勘は少しだけ鋭い。
まぁ今夜はいいか。
きみがここにいて、ぼくとお酒を酌み交わす。
それだけで十分なんだろうな。
ぼくらは早くも空になったハイボールのお代わりを頼んだ。
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