風、空、きみ

talk to myself

Archive for 7月 2016

また電子書籍にしなきゃ

leave a comment »

「きみのもしもし」がまた50話たまった。
今回は401話から450話まで。
50話毎にまとめて電子書籍化している。
今回のでVol.9になる。
大雑把に言って年に1冊ペースでまとめて電子書籍化。
書き始めた頃は毎週ではなく毎月のペースで書いていたので、
そうだな、10年くらいのライフワークか。いい感じ。
当初はアメリカで電子出版してたけど、今はAmazonと楽天。
これでわたしがいついなくなっても物は残る。よしよし。
1,000話くらいはいけるかな。

Written by ken1

2016/07/31 at 17:02

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #450

leave a comment »

ーもしもし、そーゆーときはね。
 きみが自信いっぱいに目を輝かせて、ぼくに助言する。
ー子供のときみたいに、神様にお願いしてみればいいんだよ。
ーお願いしますって。
ーわたしなんて小学生の頃、風邪で熱がなかなか下がらなかったときなんて、
 枕元に置いてた目覚まし時計に「明日までに熱を下げてください」ってお願いしたもの。
 それは神様なの?
ー神様はどこにでもいるの。本気で信じれば目覚まし時計にだって神様はいるの。
 変な宗教じゃないよね。
ーあー、わたしのこと信じてないっ。
 そうじゃないけどさ。
 神様はどこにでもいて、なんでも叶えてくれるかも知れないけど、
 ぼくのことを本気で心配してくれるきみがいれば、
 そう、きみがそばにいれば、それでいいや、それだけでいいや。
ーちゃんとお願いするんだよ。
 今、きみはぼくの前にいる。

Written by ken1

2016/07/31 at 16:47

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #449

leave a comment »

ーそろそろ部屋の整理は済んだかな。
 どう見てもまだ散らかっているこの部屋のドアを開けて、
 きみは笑っている。
 クローゼットの中から天井からすべての壁紙を張り替え、
 どうせだからとカーペットまでも張り替えた。
 こんなにも大変だとは思わなかったよ。
 ぼくは驚いた気持ちを正直にきみに伝えた。
ー物持ちがいいのも何かしらねぇ。
 足元に転がっている懐かしい品々がきみの目を引く。
 あぁそこいらに転がっているのは全部捨てるから。
 そんなぼくの言い訳をスルーして、
 きみはひとつ何かを手にした。
ーこれ、懐かしいね。
 うん、懐かしいよ。でも。
ーいいよ。捨てても。
 きみはそっとその品を下に置いた。
ーもしもし、手伝ってもいい?
 おもちゃ箱みたいなこの部屋の整理には関わり合いたくないと
 言っていたきみ。
 あまりの断捨離に少し寂しさを感じたのかな。
 ぼくの隣にきみはちょこんと座り、
 転がっている品をひとつずつ手に取り始めた。
 

Written by ken1

2016/07/24 at 19:29

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #448

leave a comment »

 覚えてたはずなのに。
 ベッドで身体を横にしながら、考える。
 夜中に喉が渇いて、目が覚めた。
 ぼくの手に重なっているきみの手をそっと降ろし、キッチンに行った。
 冷蔵庫の中のブリタのボトルから、よく冷えた水で喉を潤し、
 そこで何かいいことを思いついた。
 きみにとってとってもいいことが閃いた。
 メモに取ろうかとちょっとだけ悩んで、
 いつもだったらすぐに走り書きするのに、
 こんなにいいことだ、忘れるはずないな、
 とタカをくくって、ベッドに戻った。
 だめだ、思い出せない。
ーもしもし、もう起きるの?
 きみがまたぼくの手に手を重ねてくる。
 きみの手はほんと柔らかい。
 忘れてしまったことも忘れさせてくれる。
 きみの寝息が聞こえる。
 ぼくももう一回寝ようかな。

Written by ken1

2016/07/17 at 11:04

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #447

leave a comment »

肌寒い夏の雨。
未明からの雨は少しずつ雨脚を強くしてきた。
今日はいろんなところに行くんでしょ。
あいにくの雨。
きみにはお留守番をお願いしたいんだけど。
いいわよ。
これから出かけて、ランチは外で食べて、
一旦荷物を置きに戻るけど、また夕方から出かけて。
何時までここを守ればいいのかな。
日付が変わるくらいまで。
じゃあ今夜のわたしはここにお泊まり?
きみさえ問題なければ。
もしもし、そうではなくてね。
そうだね。ぜひ今夜は泊まっていってくれないか。
はい、しょうがない、泊まってさしあげましょう。
きみは楽しそうにぼくを送り出す。
なんか変な感じ。
お留守番して待ってるから、飲みすぎないでね。
頷いて空を見上げる。
やはり雨は止む気配もない。

Written by ken1

2016/07/10 at 13:48

カテゴリー: kiss

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。