きみのもしもし #446
今更、断捨離ってわけでもないんだけどさ。
陽当たりの良すぎる灼熱のリビングを避けて、自分の部屋で涼んでいたら、
いつの間にか整理整頓を始めていた。
ーだからってそんなところにまで手を伸ばすの?
きみがそんなところというクローゼットの上の段。
何年ぶりだろう、そのエリアに手を出すのは。
使わなくなったもの、でも捨てるに忍びないものがその段には置かれている。
ーで、何を捨てたの?
捨てたんじゃなくて、手放したんだよ。
ファミコン、バイクのへルメット、ブラジル国旗に初期のデジカメ。
ーもしもし、大丈夫? 思い出、なくならない?
なくならない。
ーほんとに?
今日のきみは疑問形ばかり。
大丈夫だよ。ぜーんぶスマホで写真に撮っといたから。
そんな手段がいいのか悪いのか。
でも少なくとも便利になった。
そして思い出の品は写真にしちゃったけど、
全くなくなるよりはいいのかな。
きっとあの頃の思い出を蘇らせるきっかけにはなってくれそうだし。
ーそしてクローゼットの整理もできたしね、でしょ?
今日は最後まで疑問形なきみでした。
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