風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #448

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 覚えてたはずなのに。
 ベッドで身体を横にしながら、考える。
 夜中に喉が渇いて、目が覚めた。
 ぼくの手に重なっているきみの手をそっと降ろし、キッチンに行った。
 冷蔵庫の中のブリタのボトルから、よく冷えた水で喉を潤し、
 そこで何かいいことを思いついた。
 きみにとってとってもいいことが閃いた。
 メモに取ろうかとちょっとだけ悩んで、
 いつもだったらすぐに走り書きするのに、
 こんなにいいことだ、忘れるはずないな、
 とタカをくくって、ベッドに戻った。
 だめだ、思い出せない。
ーもしもし、もう起きるの?
 きみがまたぼくの手に手を重ねてくる。
 きみの手はほんと柔らかい。
 忘れてしまったことも忘れさせてくれる。
 きみの寝息が聞こえる。
 ぼくももう一回寝ようかな。

Written by ken1

2016/07/17 @ 11:04

カテゴリー: kiss

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