風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #449

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ーそろそろ部屋の整理は済んだかな。
 どう見てもまだ散らかっているこの部屋のドアを開けて、
 きみは笑っている。
 クローゼットの中から天井からすべての壁紙を張り替え、
 どうせだからとカーペットまでも張り替えた。
 こんなにも大変だとは思わなかったよ。
 ぼくは驚いた気持ちを正直にきみに伝えた。
ー物持ちがいいのも何かしらねぇ。
 足元に転がっている懐かしい品々がきみの目を引く。
 あぁそこいらに転がっているのは全部捨てるから。
 そんなぼくの言い訳をスルーして、
 きみはひとつ何かを手にした。
ーこれ、懐かしいね。
 うん、懐かしいよ。でも。
ーいいよ。捨てても。
 きみはそっとその品を下に置いた。
ーもしもし、手伝ってもいい?
 おもちゃ箱みたいなこの部屋の整理には関わり合いたくないと
 言っていたきみ。
 あまりの断捨離に少し寂しさを感じたのかな。
 ぼくの隣にきみはちょこんと座り、
 転がっている品をひとつずつ手に取り始めた。
 

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Written by ken1

2016/07/24 at 19:29

Posted in kiss

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