きみのもしもし #453
寝不足なんでしょう、ときみが言う。
そうだろうね、とぼくは受け流す。
きみはテレビの前でリビングのフロアーに横たわる。
ぼくはテレビの前に椅子を配置しそこに陣取る。
腰に悪いわ、クッション取って。
クッションはふたつがいいな、ひとつは枕にするから。
きみは完全に横になって観る体勢だね。
こっちに来れば、ときみが上目遣いでぼくを誘う。
でもね、きみと一緒に横になって観るときっと寝ちゃうんだよ。
もしもし、やっぱり寝不足なんだ。
そうだよ、寝不足なんだから。
ぼくらは互いに寝不足を自慢している。
そして彼の地での未明の快進撃に酔いしれる。
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