風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #456

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 電車から急ぎ降りて、ホームできょとんとしていた。
 ここはどこ?
 あれ?なんで降りたんだ、せっかく座れてたのに。
 さほど量は飲んでいないと思っていたが、
 最近遠ざかっていたのと電車の揺れで、想定外の行動を取ったようだ。
 とにかく次の電車までベンチで休むことにしよう。

ーもしもし、お客さん、そこの彼氏、電車なくなっちゃいますよ。
 呆れ顔でぼくを揺らすきみが隣に座っていた。
 いつから隣にいたの?
ーそれはわたしのセリフ。いつから座っていたの?
 ここはどこ?
ーなんだ、わたしを待ち伏せしていたんじゃないのね、残念。

 ぼくらはきみの駅から電車に乗って、ぼくの駅まで移動する。
 きみはぼくを家まで送り届けてくれるらしい。
 また一つ、頭が上がらなくなったなぁ。
 きみは隣で楽しそうに微笑んでいる。

Written by ken1

2016/09/11 @ 18:21

カテゴリー: kiss

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