風、空、きみ

talk to myself

Archive for 12月 2016

きみのもしもし #471

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 きみの出番を待つグランドピアノ。
 その前にきみはさっそうと、
 でもよく見ると少しだけはにかみながら現れた。
 漆黒のドレスに足元は真っ赤な靴。
 映画「薬指の標本」でのセクシーな赤い靴を思い出した。
ーもしもし、去年のリベンジするんだからね。
 きみは昨日そう言っていた。
 一年分の頑張りが確かに伝わる演奏だった。
 来年は?
ー今年の気づきを克服するの。
 ストイックなアスリートみたいだ。
 じゃ来年も予定を空けとくよ。
 長い付き合いの中で、初めて聴くきみのピアノ。
 ホールを後にし、クリスマスの雑踏の中、
 ぼくはドレスアップしたきみの姿を思い出し、
 演奏の余韻までも楽しんでいた。

Written by ken1

2016/12/25 at 19:11

カテゴリー: 未分類

きみのもしもし #470

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 懐かしいカウンターで少し酔いが回ったぼくは、
 きみの横顔を見つめる。
 つき合い始めた頃は、こんな場でもさりげなくキスしてたものだなと。
 そんなことも思い出しながら、グラスに手を伸ばす。
「もしもし、なぁに」
 ぼくの思いに気づいたのか、
 きみははずかしそう、でもうれしそう。
 きみもグラスに手を伸ばし、ぼくのグラスに重ねた。

Written by ken1

2016/12/18 at 18:22

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #469

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 果たせなくなった約束がまたひとつ増えてしまった。
 増やしたのはぼく。
 約束は先送りなんてするもんじゃない。
 仕事だとそんなこと当たり前なのに、
 どうしてきみとの約束だけ先延ばししてしまうんだろう。
 そして、してしまったんだろう。
 いつでも会えると高を括っていたんだな。
 人生なめてる、人をなめてる、きみとの関係をなめてる。
 そうかもね。
 でも事実として果たせなくなった約束がまたひとつ。
 今夜は酔えそうにもない。
ーもしもし、大丈夫だよ、わかってるから。
 ふと、きみの声が聞こえた気がした。

Written by ken1

2016/12/11 at 16:39

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #468

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きみの夢を見た。
目が覚めて夢だと知った。
窓の外は暗くまだ目覚ましが鳴る時間じゃないから、
もう少し寝れるんだろうけど、
きみはまた夢に現れてくれるかな。
夢に現れて、会話の続きをしてくれるかな。
昔々は夢の続きをよく見れたけど、
最近はそんなこともなく、
それよりも何よりもきみの夢を見るのが久しぶりで、
なんだか付き合い始めた頃の、
そんなシュチュエーションで、
ぼくは少しドギマギしていた。
そして今、思い出した。
当時からきみは「もしもし」って言ってたんだ。
夢の中の付き合い始めた頃のきみが、
そう言っていたから間違いない。
なんだか今日一日が幸せになれる気がした。

Written by ken1

2016/12/04 at 18:08

カテゴリー: kiss

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