きみのもしもし #475
「あのときどうしてわたしに電話して来たの?」
懐かしい話を改めて確認しようとしているのかな。
きみの「もしもし」が聞きたくなってね、
とは何だか言いづらい。
だってきみの「もしもし」に対する思い入れは、
きみには伝えていないから。
きみは気づいているだろうけど、
ぼくはこれからも伝えることはないだろう。
「ぼくは誰かに電話せずにはいられなくて、
だからきみを選んだんだ。」
しばしの沈黙。
「もしもし、それってStarmanだよね」
おや?簡単に分かってしまうものなんだね。
ーまったくあなたって。
と言うきみの表情が電話越しに見えるようだ。
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