Archive for 1月 29th, 2017
きみのもしもし #476
「ねぇ、あなたは良い人?悪い人?」
きみが小首を傾げている。
さぁどうだろう。
「悪い人ではないと思うけど。」
「んーっ、じゃあ、あなたは魅力的な人?退屈な人?」
そうだなぁ。
「退屈な人にはなりたくないなとは思っているよ。」
「そうよねぇ。やっぱりあなたは無難な人生を歩んでいるのかなぁ。」
ぼくなりの人生をただ歩んでいるだけだと思うけど。
混んできた店内、カウンターで横に座るきみは残りのカクテルを
一気に飲み干して、
「でも、それがあなたなんだものね。」
そう言うと腕を組んできた。
「もしもし、わたしのことはどう思う?」
ほんのり赤くなったきみの頬が愛らしかった。