Archive for 2月 5th, 2017
きみのもしもし #477
明け方、きみが夢に現れた。
初めてではないし、いつものことなのかも知れないけれど、
今回のきみは微妙な表情をしていた。
目覚めたとき、そんな気がした。
目覚めたのは04:30、枕元のスマホで時間を確認した。
それからずっと寝付けず、
朝日がカーテンを照らしてくれるのを待った。
それでもきみはきっと寝ているんだろうから、
しばらく時計の針が進むのを待った。
ストーブをつけ、珈琲を入れた。
もうそろそろいいかな。
電話にするかLINEにするか、
少し迷っていると、
スマホがきみからの着信を告げた。
「もしもし、変わったことない?」
きみの夢にもぼくが現れたようだ。
二人してそれぞれの窓から朝日が昇るのを見ていたことになる。
「いつもと同じ朝だよ」
安心したきみの吐息がスマホ越しに聞こえた気がした。