きみのもしもし #479
久しぶりの失態だった。
滅多にそんなことはなかったし、
あってもきみに迷惑をかけるようなことはなかった。
自分ではそう記憶している。
「あなたはそう思ってるかも知れないけどね」
きみは意味深に笑っている。
ほんとは怒ってるのかなぁ。
いや、呆れてるんだろうなぁ。
友だちと軽く飲んで、
きみを部屋に待たせといて、
電車乗り過ごして、
戻りの終電なくして、
タクシーで深夜の帰宅。
きみは一人で何をしていたんだっけ。
それすら記憶にない。
「もしもし、だからね」
きみは意味深に笑っている。
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