風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #485

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ー手をつなげば。
 とうとつに、きみが切り出した。
ーもっと顔寄せて。
 きみがぼくにそう手招きをする。
 顔を少しだけ寄せると、すぅーときみはぼくの耳元に唇をつける。
 そして、つぶやく。
ー手をつなげば、こわくないから。どんなことも、大丈夫だから。
 あのとき、そう、耳の奥に言葉を残した。
 残された言葉は今もたまに蘇る。
 躊躇しているときに、困っているときに、誰かに後押しをしてもらいたいときに、
 そんなときに、ふっと聞こえてくる。
「もしもし、ぼぉーとしてないで手をつなごっ」
 きみは今もそう話しかける。
 桜の季節、あのときのきみを思い出した。

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Written by ken1

2017/04/02 at 18:07

Posted in kiss

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