きみのもしもし #486
「あーゆーはぴー?」
きみがぼくの行く手を阻んで、そう言った。
一瞬、何を言っているのか、分からなかった。
「Are you happy?」
きみはぼくの目を見て、また言った。
今度はちゃんと聞き取れた。
でも、その意図までは分からなかった。
「自問自答しなよ」
そう言われて、ぼくも口にしたみた。
「もっと大きな声で。もっとみんなに聞こえるように」
とりあえずきみには聞こえるように言ってみた。
「アーユーハピー?」
「もしもし。うーん、まっいっか」
でももう一回言うようにきみは催促する。
「あーゆーはぴー?」
もう一回。
「Are you happy?」
「うん、道に迷ったら自問自答するんだよ」
きみは気づいたんだね。
ーありがとう。
すでに前を歩くきみにそっと言ってみた。
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