きみのもしもし #488
「どんなこともね、何か大切なことを気づかせてくれるために起きるんだよ」
またきみが何か哲学的なことを言い出した。
こんなことが年に何回かある。
正直言うと、きみらしからぬ言葉なんだけど、
だけど毎回「ためになる」なぁと思ってしまう。
今日のこの言葉も、なんとなくどこかで耳にしたことがある気もするけど、
改めてきみの口から聞くと、素直に耳を傾けてしまう。
「と言うことはね、難しい問題なんかじゃないのよ」
きみが上目遣いにぼくを覗き込む。
「起きてよかったぁって思えるようになるといいね」
きみは今日のぼくから何を感じ取ったんだろう。
「もしもし。きっとそう思えるからね」
ぼくもきみも、二人して、一緒にゆっくり頷いた。
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