きみのもしもし #490
ーどんなノートを使ってるの?
きみがぼくの手元を覗き込む。
ふつうのノートだよ。
ーそうかなぁ。
どんなノートを使ってるかより、
どんなふうに使ってるかが気にならない?
ーノートを決めると、使い方も決まるでしょ。
ぼくは意識したことないなぁと、
きみにノートを広げてみせる。
ーやっぱり方眼だ。サイズも想像してたよりちょっと大きめ。
綺麗にまとまってるね。と、きみが感心している。
ーもしもし。同じものが欲しいっ。
おねだりされるほどのノートじゃないよ。
もっとオシャレなのもあると思うよ。
それでも、
ーこれがいいの。わたしも綺麗に書けるようになるよね。
と、きみが真剣に言う。
そうだね。それに、いつでもそばにノートがあると楽しいよ。
と、ぼくは笑った。
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