きみのもしもし #491
ーI love you, Mam.
映画の中の少年が母親に言っている。
これからはもっと言うね、と言っている。
「言ったことないなぁ」
「いいと思うよ」
「でも、ありがとうは今朝伝えたよ。電話だけどね」
「とってもいいと思うよ。離れていても声が聞ける。素晴らしいね」
ぼくは少しだけ照れくさい。
「もしもし、わたしには?」
「そうだね、いつもありがとう」
きみはゆっくり首を横に振る。
そんなきみに、ぼくは小さくI love youを口にした。
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