風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #499

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「ちっちゃかった頃に好きだったことはなぁに」
 きみが覗き込むような視線で聞いてくる。
 はたとぼくの動きは止まる。
 何が好きだったんだろう。
 何がぼくを笑顔にしてくれていたんだろう。
 学校に入る前のぼくの記憶。
 少しの間。
「おふくろの背中かなぁ」
 きみがにっこりと微笑む。
「自転車の後ろに乗って、おふくろの背中に顔を押しつけるのが好きだったな」
 そして、きみはゆっくりと頷く。
「いい思い出ね」
 確かにね。
 きみは声には出さずに「もしもーし」と口ずさむ。
 そう言われて、ぼくは少しだけ照れた。

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Written by ken1

2017/07/09 at 16:55

Posted in kiss

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