きみのもしもし #504
きみが入院した。
大したことはないので、お見舞いは無用だと言う。
入院している顔を見せたくないのもあるだろう。
でも、ぼくとしてはそうもいかず、MINIに乗り込み病院に行った。
「来なくていいって言ったでしょっ」
やはりきみは少し怒っている。
それも承知だ。
途中で急ぎ買ったきみの好物の和菓子を差し出した。
「ごまかしてる」
でも、少しだけきみの表情が緩んだ気がした。
和菓子を口にしたきみは少しずつ饒舌になった。
大したことなくても、
入院はやっぱり寂しいよね。話し相手は必要なんだよ。
ぽくはきみのおでこに手をつけた。
「もしもし、違うと思うんですけど」
きみに笑顔が戻った。
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