風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #504

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 きみが入院した。
 大したことはないので、お見舞いは無用だと言う。
 入院している顔を見せたくないのもあるだろう。
 でも、ぼくとしてはそうもいかず、MINIに乗り込み病院に行った。
「来なくていいって言ったでしょっ」
 やはりきみは少し怒っている。
 それも承知だ。
 途中で急ぎ買ったきみの好物の和菓子を差し出した。
「ごまかしてる」
 でも、少しだけきみの表情が緩んだ気がした。
 和菓子を口にしたきみは少しずつ饒舌になった。
 大したことなくても、
 入院はやっぱり寂しいよね。話し相手は必要なんだよ。
 ぽくはきみのおでこに手をつけた。
「もしもし、違うと思うんですけど」
 きみに笑顔が戻った。

Written by ken1

2017/08/13 @ 17:42

カテゴリー: kiss

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