きみのもしもし #507
クローゼットの中を整理していたら、もう一つ、懐かしいものが出てきた。
親父から手渡されたポラロイドカメラ。初代だと言っていた。
ーちょと出てくるね。
そしてぼくは最近また発売され始めたポラロイドフィルムを買って帰ってきた。
「また思いつきでそんなの買って来て」
きみは少しだけあきれた顔をする。
思いつきもね、それを機に継続させると思いもよらないものに化けることがあるんだよ。
どう化けるかは先になってみないと分からないけどさ。
ぼくの計画、それは週に1枚きみをポラロイドに納める。
5年後10年後、相応の枚数のポラロイド写真がきみとぼくの間に存在する。
想像するだけでも、なんだかワクワクするね。
「もしもし」
ん?
「あなたが続けられればね」
きみはうれしそうに微笑んで、腰に手を当てポーズをつけた。
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