きみのもしもし #520
あなたは何もしてくれないと、きみがいう。
食事の約束も、約束もわたしからだし、お店もわたしが探す。
あなたは何もしてくれないと、きみは続ける。
どんなに困っていても、アドバイスすらない。
本当にあなたは何もしてくれないと、きみは腕を組む。
少し間ができたようなので、ぼくは珈琲を入れる。
豆はきみの好きなマンデリン。
ーもしもし。
きみが組んだ腕を解く。
うれしいのよ。
ぼくは動きを止める。
話を聞いてくれるだけでも、うれしいの。
ぼくはきみに珈琲を差し出す。
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