風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #520

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 あなたは何もしてくれないと、きみがいう。
 食事の約束も、約束もわたしからだし、お店もわたしが探す。
 あなたは何もしてくれないと、きみは続ける。
 どんなに困っていても、アドバイスすらない。
 本当にあなたは何もしてくれないと、きみは腕を組む。
 少し間ができたようなので、ぼくは珈琲を入れる。
 豆はきみの好きなマンデリン。
ーもしもし。
 きみが組んだ腕を解く。
 うれしいのよ。
 ぼくは動きを止める。
 話を聞いてくれるだけでも、うれしいの。
 ぼくはきみに珈琲を差し出す。

Written by ken1

2017/12/03 @ 18:26

カテゴリー: kiss

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