風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #523

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 年賀状ソフトのバージョンアップに四苦八苦しているぼくを横目に、
 きみは涼しい顔で本を読んでいる。
ー早く準備してね。
 さっきの会話からそんな声が聞こえて来そう。

「もうね、絵柄は決めてあるの」
「まだ今年版にしてないぜ」
「さっきスマホで絵柄をチェックしたのよ」

 そしてページをめくる。
ーでもあわてなくていいのよ。
 きみはページのめくり方一つでぼくに思いを伝える。

「もしもし、読書はね」
 ぼくはMacから目を離し、きみを見る。
「読んだ本の厚みだけ、読んだ人の世界が広がるの」
「わたしこの本、読み終えちゃいたいから」
 きみはまた本に目を落とす。
 ぼくはまたバージョンアップに取りかかる。

Written by ken1

2017/12/24 @ 19:38

カテゴリー: kiss

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