きみのもしもし #525
休日の夜、銀座を歩く。
表通りはインバウンドで溢れている。
ー苦手でしょっ。
きみからのLINEが届く。
どこにいても、どこにいるか、きみにはお見通しなのか。
悪い気はしない。
どちらかと言えば、なんとなくうれしい。
ひとりぼっちも好きだけど、
きみはやはり別格なんだろう。
ーきっとあなたはこの後、あそこに行くのね。
先も読まれている。
そのくらいぼくの行動は単純でワンパターンなんだろうね。
じゃあ、違う行動に出てみるか。
そんなこともしない。
そして、ぼくは裏通りのバーのドアを開ける。
すると、きみがカウンターに座っている。
去年と同じだ。
「もしもし」
きみがハイボールを片手に微笑んでいる。
今年もきみのもしもしから始まった。
良い年になりそうだ。
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