きみのもしもし #533
今日はどうしてもそのお店できみに会いたかった。
会いたい気持ちが裏目に出たのか、
MINIを使わず、電車で行けばよかったのか、
この少し早めの春うらら、道は混み、思うようにMINIは進まず、
結局、きみが先に行っているそのお店まで閉店までに着けなかった。
「もしもし。でもわたしはちゃんと待ってたでしょ」
今、きみは助手席に座り、春の夕日を浴びている。
ありがとう。会えてよかった。
ぼくは素直に気持ちを伝える。
「でも次は一緒にあのお店に行こうね。壁一面にね素敵な写真がたくさんあるの」
そうだね、次回は必ず一緒に観に行こう。
帰り道、MINIは小気味好いエンジン音を響かせる。
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