きみのもしもし #559
きみが寝息を立てている。
ゆうべ、ぼくが寝るときにはきみはソファで何かを作っていた。
ーまだ寝ないの?
ー友だちに贈るプレゼントを作っているの。
きみが隣に潜り込んできた時間をぼくは知らない。
ぼくはベッドを抜け出し、朝食の用意をする。
珈琲豆を挽く音はきみの眠りを妨げることになるだろう。
珈琲は最後に、それもドリップパックを使うことにしよう。
朝の音楽も今日はイアホンで聴くとしよう。
食器の当たる音にも注意を払い、
ぼくはサラダとヨーグルトを盛り付ける。
そうだな、パンは少し厚めに切っておこう、何となくそんな気分。
ゆで卵なんてのもあると、きみは驚くかな。
きみの目覚めたときの「もしもし」を楽しみに、
ぼくは音の出ないメニューでふたり分の朝食を用意する。
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