風、空、きみ

talk to myself

きみのもしもし #559

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 きみが寝息を立てている。
 ゆうべ、ぼくが寝るときにはきみはソファで何かを作っていた。
ーまだ寝ないの?
ー友だちに贈るプレゼントを作っているの。
 きみが隣に潜り込んできた時間をぼくは知らない。
 ぼくはベッドを抜け出し、朝食の用意をする。
 珈琲豆を挽く音はきみの眠りを妨げることになるだろう。
 珈琲は最後に、それもドリップパックを使うことにしよう。
 朝の音楽も今日はイアホンで聴くとしよう。
 食器の当たる音にも注意を払い、
 ぼくはサラダとヨーグルトを盛り付ける。
 そうだな、パンは少し厚めに切っておこう、何となくそんな気分。
 ゆで卵なんてのもあると、きみは驚くかな。
 きみの目覚めたときの「もしもし」を楽しみに、
 ぼくは音の出ないメニューでふたり分の朝食を用意する。
 

Written by ken1

2018/09/02 @ 18:16

カテゴリー: kiss

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