きみのもしもし #579
ーたまにはすべてをオフにしてさ、
きみが言葉を続ける。
とってもにこにこしながら、
ぼくの躊躇している気持ちを溶かすように、
きみの言葉がぼくを包み込む。
ー行ってくればいいじゃん。
長いお休みが取れなければ行けないってことはないんだよ、
と続ける。
ーあなたが行きたいところに行く。日数なんて関係ないよ。
そこで空を見上げて、光を浴びて、空気を吸って。
その土地のものを食べて、飲んで。
ーもしもし。
あなたが行きたいその場所にあなたが立っている、
それが大事なんだと、きみが身を乗り出して、
ーそれが旅だよ、行ってらっしゃい。
と、ぼくに言う。
コメントを残す