きみのもしもし #609
乗り換えの駅で、きみに降ろされた。
きみがにっこり笑って手を振っている。
終電間近。
記憶はここまで。
朝、目が覚めて枕元のスマホを手繰り寄せる。
きみから乗り換え案内の検索結果が届いていた。
そしてぼくもちゃんと返信をしている。
そうか、昨夜はこうやって帰宅したんだ。
ーもしもし、今日はゆっくりおやすみなさい。
日付が変わった直後のきみからのメッセージ。
久しぶりに時間を気にせず楽しめた。
いい時間だったな。ありがとう。
窓を開け放ち、朝の空気を取りこんで、
ぼくはもう一眠りすることにした。
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