きみのもしもし #616
「もしもし」
始めにそう言ってから、きみはずっと話し続けている。
途中で口を挟む隙もないほど、ずっと話し続けている。
ぼくはとにかく、そんなきみから目を離さずに、
そうだね。
とだけ、時折り相槌を打つ。
そしてたまに珈琲に口をつける。
きっときみの珈琲もぬるくなっているだろうに、
きみはそんなことにはお構いなしで、
ずっと話し続けている。
いくらでも、いつまでも、聞いていてあげよう。
ぼくはまた相槌を打つ。
talk to myself
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