きみのもしもし #617
ゆっくりと、でも確実にぼくらは歳をとる。
前向きに言葉を変えれば、歳を重ねると言うことか。
物忘れも出てきて、身体のあちこちにガタが来る。
今までのスピードで物事が処理できなくなって、
自分自身でも焦ったくなる。困ったものだ。
そんな話をきみにしていた。
すると、きみはキョトンとしてぼくを見る。
ーもしもし。
笑顔でぼくを見る。
ー歳をとることはそんな悪い事ばかりじゃないよ。
ーきっとそうじゃないよ。
ーいろんなものが見えてきて。
ーいろんなことに優しくなれて。
ーきっとそうだよ。
ー楽しみだなぁ。
きみはおいしそうに珈琲に口をつける。
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