きみのもしもし #618
ーあなたは何になりたいの?
この歳になっても、ぼくにとって答えられない問いかけをきみはしてくる。
ーどうして答えられないの?
もうなれないと思っているから。
恥かしいけど、それが正直な気持ち。
ーなりたいものになれるとかなれないとか。
そうではないときみは言う。
ーもしもし、なりたいものになりたいって気持ち。
きみはぼくを真正面から見つめる。
見つめ返すのにとっても勇気が必要なことくらい、
真正面からぼくを見つめる。
ーなりたいって気持ちを忘れないでいる事が大切なんだよ。
ーちょっとの事でいいんだよ。
ー大袈裟に捉えることはないんだよ。
そんなきみに後押しされて、
ぼくは一年ぶりに重い腰を上げることにした。
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