きみのもしもし #623
新しいMINIに乗り込み、ドアを閉める。その音。
シートに座り、窓を開ける。
遠くから子どもの笑い声と鳥のさえずりが聞こえる。
少しだけその声に耳を傾け、そして
エンジンに火を入れる。
前のと同じエンジン音のはずなのに、その響きが心を揺さぶる。
そしてきみからの電話の着信音。
ーもしもし、そーゆーのをね。
きみの微笑みまでも音として聞こえてきそうだ。
ー幸せな音って言うんだよ。
なるほどね。
今日は幸せな音に包まれているようだ。
ぼくはゆっくりアクセルを踏み込み、
きみの待つお店へと向かう。
コメントを残す