きみのもしもし #630
ふと気づいた。そんな気がした。
ぼくがきみを見てたんじゃなくて、
きみがぼくを見ていたんだね。
ぼくがきみを見守っていたんじゃなくて、
きみがぼくを見守っていてくれたんだね。
聞こえているのか、聞こえていないのか、
きみはすーっすーっと寝息を立てている。
久しぶりのぼくの膝枕で、静かな寝息を立てている。
「もしもし」
そんなきみが薄目を開ける。
眠たそうに薄目を開ける。
そしてぼくはゆっくりうなずく。
もう少し寝てていいよと、きみの髪を撫でてみる。
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