風、空、きみ

talk to myself

Archive for 6月 2020

きみのもしもし #654

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 彼がいなくなって、明日で一年になろうとしている。
 早い一年だ。
 きみが今朝、ぼくに言った。
ー証明できないからって、存在しないことにはならないよ。
ー想像できれば、信じられるの。神さまだってそうじゃん。
 そうだね、彼は今でもぼくらの中に存在している。
 いつだって話しかけることはできるし、
 いつだって彼は笑い返してくれる。
ーもしもし。会いに行こうっ。
 うん、そうしよう。
 彼が写真越しに微笑んだ気がした。

Written by ken1

2020/06/28 at 19:46

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #653

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ー知らないうちにね、気づいたらね。
 きみが上目遣いにごにょごにょ言ってる。
ーあれも買ってたの。これも買ってたの。
 ぼくはくくくと笑う。
ー久しぶりにお店を覗くとね。いろんなものが話しかけてきてね。
 ぼくのくくくは止まらない。
ーもしもし。ちゃんと聞いてるぅ?
 そんなものだよ、久しぶりのお買い物なんだから。
 でもね、あのねときみが説明する。
 よかったじゃない。きっと縁があったんだよ。
 やっぱり、くくくは止まらない。

Written by ken1

2020/06/21 at 18:47

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #652

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ーきっとすべてうまくいくよ。
 きみはにっこりとぼくにささやく。
 先週まるっと一週間、一緒に旅行に行くはずだったのにね。
 そして今日はその最終日、帰国の日。だったのにね。
ーきっとすべてうまくいくよ。
 きみは笑ってぼくにささやく。
 そうだね。次回は倍は楽しまなくっちゃね。
ーもしもし。
 きみは楽しそうにぼくにささやいた。

Written by ken1

2020/06/14 at 19:28

カテゴリー: kiss

きみのもしもし #651

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 ぼくらはベンチに腰掛けて、空を見上げる。
 ベンチを包む大木の隙間から夏空が見える。
 梅雨はまだなのに、もう夏並みの季節感だ。
 ねぇ。
 ぼくはそう言ってきみの手に触れる。
 何かするわけじゃないんだけどさ、
 ぼくはちょっと照れながら。
 会うっていいね、会えるっていいね。
 きみの手を少しだけ強く握る。
ーもしもし。何かしてもいいのよ。
 きみはいたずらっぽく微笑んだ。

Written by ken1

2020/06/07 at 18:49

カテゴリー: kiss

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