きみのもしもし #663
ーいつまで着けとくのかな。
きみが答えの出ない質問を投げかける。
いいんだよ、周りに人がいなければ。
いいんだよ、ぼくの前では。
ふふふと、きみが笑って続ける。
ーこれでお化粧ごまかしてるの。
もともとそんなにお化粧してないでしょうに。
ーうぅん、気持ちの問題なのよ。
そういうものなんだ。
ーでもね、いつだってこれを外せる準備をしておくことにしたの。
ぼくの前には美容サロンのチラシが置かれた。
ーもしもし、えらいでしょっ。
そうだね、ものは考えようとはよく言ったものだね。
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